共働きで二人とも働き続けることは当然と考えていた中で育児休職を6カ月取得したこと、人生の中で子育てという貴重なスキルアップができたと感じていること、育児休職の取得は、復帰後が仕事のブランクを感じたり、時間までに子どもを迎えに行かなければならないなど大変だったことをお話された。コープかながわの男性が育児休職を取得したのは4人目で、復帰後、通勤時間などの面でも配慮があったことは助かった。かながわは制度面では追いついているので、その制度を運営できる風土ができれば、子育てと仕事を両立して女性職員も働きやすくなり、同時に男性の育児休職も増えてくるのではないかとお話された。
他の男性に、「ぜひ育児休職を取りなさい」と言うつもりはないが、男性も取るのが普通になったら女性も取得しやすくなる。自分は取得したが、取らなかった男性の声や、男女共同参画の課題でも、そこに参加しない人の考えを聴くことが重要だとお話された。
B東京都生協連:「男女平等参画社会推進組合員意識調査」の取り組み
男女平等参画推進小委員会プロジェクト:塩崎佐武郎さん
東京都連の「組合員意識調査」は、男女共同参画推進に向けて生協がどのような社会的役割を担っていくべきか、生協ができることは何かの具体的な指針を検討するために、都連の会員生協の組合員を対象に10月〜11月にかけて実施した。3,000枚配布し約850枚の回答があった。大学生協の協力による大学生の回答(110枚)を除く、一般組合員の回答(約740枚)の結果について報告された。それぞれ、家庭や職場における男女の地位の平等について、女性が仕事を持つことなどについて、仕事と家庭の両立を阻害する要因などについての意識の調査結果と共に、生協の男女平等推進の取り組みの周知についての質問では、周知率は30%弱だったので、より広報の必要があることなどが報告された。
(2)日本生協連理事会小委員会の
「女性のチャレンジ支援・リーダー育成に向けての提言(案)」の概要
報告:政策企画部 亀田篤子
国の「女性のチャレンジ支援策」(2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%に)を受けて、生協においてもこの取り組みが重要であるとしてまもなく出される予定になっている。この提言案は、それぞれ、事業・経営の担い手としてのパート職員のチャレンジ支援、ポジティブアクションによるリーダー育成、法制度に対応した職場環境の整備、地域・社会では消費者・市民の立場から発言するリーダーの育成、国や自治体の議会・行政への参画強化、組合員組織においては、活動を支援・コーディネートするリーダーの育成や機関運営に係わるリーダーの育成という視点で、生協の取り組みの具体化に向けての内容になっている。
参加者から「提言案を自分の生協の取り組みに反映させていきたい」等の感想が出され、各生協の2005年度の男女共同参画推進のヒントを得ることができた。
(3)全体ディスカッション「生協での課題を考えよう!」
3人一組になりフリップシンポジウムを行い、「男女共同参画で生協が進んでいると感じること、遅れていると感じること?」について、一人ひとりがキーワードでフリップ(用紙)に書き、それを3人で出し合い、コメンテータも含め、全体で発表した。
(4)分散会:「生協の男女共同参画 これが課題!」
組合員の分散会と職員の分散会に分かれ4つのグループで、各生協の男女共同参画推進の2004年度の取り組みと2005年度に向けた課題等について交流した。
組合員の分散会では、男女共同参画社会に向けては、家庭ではかなり進んできているのではないか、また、生協の活動への参加でもファミリーの参加が増えていること、ボランティア活動でも男性など徐々に増えてきたこと、幅広い人たちが参加できるように活動時間の見直しなども必要なこと、生協は男性や定年後の人たちへの地域や社会参加など、活動の場の提供という意味でも期待されていること等話し合われた。
職員による分散会では、男女共同参画の行動計画に基づきポジティブアクションなどにすでに取り組んでいる生協も、具体化はこれからの生協も、残業が多かったり、正規職員の採用が少ないなどの職場の現状が出された。そのような中で、男女共同参画推進の取り組みは、「進んでいる」とは言えない状況だが、人材育成など女性も能力発揮し働き続けていくことのモデルができることは大切であること、各生協の職員も集まって意見・情報交換をして男女共同参画推進の取り組みを進めていくことは重要であることが話し合われた。